【速報】マレフィセント百合厨大勝利

と言うことで初日の朝にマレフィセント見てきました。
百合でした。

書く事これだけで良い気もしますけど、まあ百合でした。
呪いで眠りに就いたオーロラを目覚めさせたのは、通りすがりのプリンスのキスではなく、16年間オーロラを見守り続けたマレフィセントのキスでした。

ええ、そうなんですよ。額とは言えキスで目覚めるんですよ。昏睡させて運んできた「プリンス」のキスが不発した後に、「あなたの笑顔を毎日思い出す」と誓ったキスで目覚めるんですよ。で、目覚めた第一声が「こんにちは、醜い子」ですよ。なんだこのツンデレ。そもそも16年間世話焼き続けとか、どんだけオーロラ好きなんだよ、このフェアリーゴッドマザー。オーロラにバレてて何驚いてるんだよ、抱っこせがまれてバッチリ抱き上げてるじゃねーか。そりゃ覚えてる。自分と妖精おばさん三人しか居ない世界にそんなやつ居たら絶対に覚えてるわ。

とまあそんな感じで、アナと雪の女王よりもずっと分かりやすく百合でした。
“分かりやすく”ってのがポイントです。
アナと雪の女王はクリストフが結構活躍したりして、私でも本当に百合なのか疑念が湧き出たりもしたんですけど、マレフィセントは完膚無きまでに百合です。
前半はそこらに転がってそうな異種族愛のテンプレートで、決別した後も「こいつらいつよりを戻す気だ」と戦々恐々してたんですが、オーロラが隠遁生活始めた辺りからマレフィセントがオーロラにべたべたで、そのままEDまで百合で突っ走ります。
ムーアで一緒に暮らしたいと言ってきたオーロラの呪いを解こうとして、「誰にも変える事は出来ない」と言う16年前の自分の声に阻まれるシーンはとても美味しかったです。
そこだけ見ると「結局良い奴でしたって話なの」って声も出てきそうですが、ストーリーを俯瞰してみると、とんでもない悪人がエゴのままに行動して、その結果跳ね返ってきた自業自得の状況に自ら立ち向かって結果として英雄にもなる、と言うどこにも正義のないストーリーです。

形式上のマレフィセントのプリンスであるステファンとの関係も清々しいまでの悪vs悪。ステファンは分かりやすく悪の暴君ですが、マレフィセントも恐怖でムーアのトップに君臨する姿はまさしく悪でしょう。
作中、いくらでもヒロインとプリンスの関係に戻れたのに、お互いにフラグを折りまくっていくのは、まざーみrまさに圧巻でした。
マレフィセントを戦いから遠ざけるために翼を切り取って持ち帰るまでは良いのに、ちゃっかり王様になってしまうから愛が伝わらないし、マレフィセントの方も悪意に任せて本人ではなく娘に災厄を向かわせてしまうので、ステファンも引っ込みがつかなくなってしまいました。ホントいいきm残念なやつらです。
最後だって、マレフィセントがトドメを差さないので、もしかしたらやり直せるかと思った瞬間に後ろから掴み掛かって、揉み合いの末に遙か下の地面に落ちていきますからね。どうしようも無いです。ヴィランズ(悪役)に「プリンス」なんて柄じゃないってことですかね!
ヴィランズが主人公の時点でもうどうにでもなれ感はあるんですけど、ここまで「プリンス」を否定するのは胸がすk思い切ったことをするもんだと思います。
上のような惨状のステファンですらまだ「プリンス」してる方だからヤバイです。
オーロラの「プリンス」なんか、登場2シーン目でマレフィセントに拉致されますからね。そして昏睡状態で城まで運ばれて、昏睡状態のままオーロラが眠っている部屋の前に放り出されて、それ真っ当な「プリンス」なら自分の力でやることなんですけど、恥ずかしくないんですか????
これで呪い解けたらまだ格好付くんですけど、華麗に「しかし なにもおこらなかった」で三妖精に部屋から追い出されて、次の登場はEDです。ヤバイでしょ。
EDで登場すると言っても、一瞬顔出してオーロラから微笑み返されてるだけなので、注意してないと見落とすレベルです。っていうか、どの面下げてEDに出てきたんだ。

ただ従来型の「プリンス」は居なくとも、ヴィランズの「プリンス」かもしれないキャラは居ました。カラスのディアバルくんです。
立ち位置はクリストフに近いですが、マレフィセント本人の戦闘能力が高いので、前に出て活躍すると言うよりはサポート役で、主従に近い関係です。
マレフィセントの魔法で様々に姿を変えますが、人間の姿でないとしゃべれないので、煽ってるとカラスに戻されて黙らされて和みます。
ラストのステファン戦では一世一代の見せ場、鉄の鎖で動きを封じされたマレフィセントに代わって、「ドラゴンになれ」で巨大なドラゴンとなり、群がる兵士を蹴散らし、隙を見てマレフィセントから鎖を取り払う大活躍を見せましたが、無勢に多勢で1/1の兵士クリーチャーにもみくちゃにされて鎖でタップされている場面は涙と笑いを禁じ得ませんでした。
最終的にステファンを下すのは翼を取り戻したマレフィセントでしたし、力関係は従来型の「プリンス」からは完全に逆転して、付き従う存在になっています。
翼を取り戻した後に、以前と同じようにムーアの原生林を抜けて、雲を突き抜けていくシーンがあるんですけど、その終わりの雲海の上を飛ぶマレフィセントの傍を一緒に飛んでいるのが本当に絵になるんですよ。オーロラに対するものとはまた違った絆を感じます。二回目に流れたときは「使い回しかよ」って思ったんですけど、実に意味のある使い回しでした。

余談ですが、マレフィセントは属性的には黒緑なんですけど、雲を突き抜けた後の決めポーズは紛う事なき白の天使でしたね。マレフィセントたんマジ天使。
5/5ぐらいの天使のイラストにそのまま使いたい感じでした。
あと、余談に余談を重ねるんですが、マレフィセントは絶対に緑が入るんですけど、飛ぶんですよね。MtG的には緑入ってるとあんまり飛ばないのでちょっと困ります。黒入ってるともう少しは飛ぶんですけど、黒の飛行もそこまで強い要素じゃないので、黒緑で飛行です言われると「んん?」ってなります。まあ、フェアリーって考えれば飛行もアリなんですけど、緑のフェアリー飛んでないやつ多くて。
さらに余談の余談の余談で、ムーアが黒緑で、人間側が赤白だよね、青どこだろう。って話もあるんですが、この辺にしておきましょう。

マレフィセント、良い百合でした。オススメです。